interview インタビュー

【令和7年度 働きやすい職場づくり推進企業表彰 新潟県経営者協会特別表彰】「建設業の常識」を覆す、生産性向上と働きやすさを両立する会社

株式会社廣瀨は、新潟市西区に本社を構え、総合建設業、不動産事業、測量業、太陽光発電事業を展開する企業です。積極的なDX・IT化による業務効率化や多様な人材が活躍できる環境整備を進め、令和7年度『新潟市働きやすい職場づくり推進賞』『新潟県経営者協会特別表彰』に選出されました。

オフィスと現場で実施した施策について、総務部でHIROSEグループ採用担当の田沢さん、同採用担当の伊藤さんに伺いました。

スマートフォンやiPadを活用し、残業時間を削減

残業時間削減に取り組んだ背景と具体的な施策を教えてください。

そこで、手をつけたのが正確な労働時間の把握と業務効率化です。勤怠管理システムはそれ以前から導入していましたが、自己申告制で実態が見えにくい問題がありました。そこで2024年8月にスマートフォンで打刻するタイムカード式のシステムへ刷新。リアルタイムで業務時間や残業の実態を把握できるようにしました。そして、残業の多い現場に対して応援人員を配置するフォロー体制をつくったんです。

他に、業務効率化のため、iPad配布も行いました。どこにいても図面や最新データを確認できるようになり、打ち合わせがスムーズになった上、移動時間削減にもつながっています。

これらの取り組みの結果、2022年度は12.5時間だった月の平均残業時間が、2023年度に9.5時間、2024年度には2.5時間まで削減できました。

風土改革とサポート人材の採用で、有給休暇取得を推進

有給休暇の取得推進については、どのように取り組んだのでしょうか。

田沢さん: 社長から「有給休暇をしっかり取るように」と発信があり、有給休暇の取得推奨時季を設けて、気がねなく休める雰囲気づくりを行いました。申請手続きも変更しており、以前は取得理由を含めて申請書に記入・提出していましたが、現在は日付等をシステムで入力・申請する形にしています。

また、技術者の有給休暇取得推進と負担軽減を目的に、事務作業やデータ処理を担当するサポート人材の採用にも取り組んできました。採用を本格化させたのは2024年春頃で、現在は14名が技術者の支援業務(アシスタントディレクターなど)についています。

支援業務を行う様子

伊藤さん: 支援業務には「新しいことにチャレンジしたい」という意欲があれば、業界未経験でも挑戦でき、若手女性社員が活躍しています。中にはUターンで入社された方もいらっしゃいますね。現場に出ることはなく、本社で8〜17時の勤務なので、子育て中の方でも働きやすいと思います。

ダイバーシティ推進に向けた、新社屋・設備と「RCM重機」

職場環境に対する施策を伺えますか。

田沢さん: 2018年に本社を改装し、2025年9月に隣接する土木棟を増築しました。現場では、女性社員の増加に伴い、男女別の簡易水洗トイレや女性専用の更衣室・休憩室を設置しています。

他には、遠隔操作できる「RCM重機」も導入しました。屋内で操作する関係で、ヘルメットをかぶる必要がなく、雨や雪、真夏の暑さ、紫外線など天候も気にせず重機を動かせます。完全に画面越しで扱うため、振動を感じることもありません。この重機の場合、現場で実機に触れてきたベテラン社員より、全く触ったことのない人の方が慣れるのが早いようですね。

メリットの多い「RCM重機」ですが課題もあります。通信のわずかな遅延で重機の動きに影響が出るため、電波の届きにくい山間部などでは安定稼働のための工夫が必要です。また、現状は、免許センターにある重機が実機のみであることから、実現できていませんが、将来的には、障がいのある方や、ケガなどで現場を離れた方などの雇用にもつなげ、ダイバーシティ推進に役立てたいと考えています。

社員の人生と日常に寄り添う福利厚生制度

福利厚生制度にはどのようなものがありますか。

田沢さん: 学生さん向けのガイダンスで反応が良いのは、2025年12月から導入した「奨学金返還支援制度」です。会社が日本学生支援機構へ代理返還する仕組みで、最大210万円まで、最長10年間支援します。給与に上乗せして支給すると、本人の所得税や社会保険料が上がってしまいますが、代理返還ですとその心配がありません。就職課の先生方からも「学生に詳しく説明してください」と注目いただいている制度です。

伊藤さん: 社員全員が使える福利厚生制度には「カンリー福利厚生フクリー」や「ファミくる」があります。コンビニのドリンク無料クーポンや飲食店の割引券のような身近なものから、育児・メンタル相談が無料で利用できるサービスなど。ランチがお得になったり、困ったときにすぐ専門家に相談できたりするので、お得感や安心感を得られているのではないかと思います。そうした「ちょっとした充実」の積み重ねがあるおかげか、福利厚生などへの不満は聞こえてこないですね。

手厚い制度を用意されていますが、業績とのバランスはどのように保たれているのでしょうか?

田沢さん: 「無駄なことをしない」という合理主義が根底にあると思います。事業成長を見据えつつ重要な部分にリソースを集中させ、業務をスリム化して生産性を高める。そのような考えで、業績アップと働きやすさ向上に取り組んでいます。

AI活用と魅力的なまちづくりへの挑戦

今後の働き方や事業展開への考えをお聞かせください。

田沢さん: 今ある環境や制度を継続しつつ、時代に乗り遅れることのないよう、AI活用を加速させていきたいと思っています。社内SEを中心に、具体事例を共有するAI講習会なども行っていて、少しずつ活用が進んでいるところです。

新潟市中央区に開業したサウナ施設「sauna100」

事業では「都市観光」を切り口にした新規プロジェクトを通じて、新潟をもっと人が集まる魅力的なまちにしていきたいと考えています。地域に貢献し、新潟で暮らし・働く誇りを創り出していく。そうした事業に取り組み「この会社で働いてよかった」と心から思える職場づくりを推進していきたいと思います。

企業情報

株式会社廣瀨

1973年設立。総合建設業、不動産事業、測量業、太陽光発電事業などを幅広く展開。徹底した業務のDXIT化と効率化により、所定外労働時間の削減と若年層・女性などの多様な人材採用を実現している。従業員数は219名(令和710月時点)。