取組企業へのインタビュー

 ワークライフバランスの推進と健康管理の取り組みで働きやすい職場環境をサポート 

新潟市西蒲区にて、道路に関する事業を展開するファインロードコンサルタント株式会社。もともと取り組んでいた SDGs とつながる形で、2年前から働きやすい職場づくりを本格的にスタ ートしました。これまでに行った取り組みは勤怠管理システム導入、土曜日を「週はじめ」とする制度変更、人間ドック受診費用の補助や食生活改善講習会の開催など多数。そうした取り組みが評価され、令和 5 年度「新潟市働きやすい職場づくり推進賞優秀賞」を受賞しています。

どのようにして働きやすい職場をつくり、成果をあげているのか。代表取締役の髙橋学(たかはし・まなぶ)さんに伺いました。

「企業として当たり前のこと」と考え進めてきた働き方改革

働きやすい職場づくりに取り組み始めたきっかけを教えてください。

本格的に取り組み始めたのは 2 年前、私が代表に就任した 2022 年からです。以前から取り組んできた SDGs にもつながりますし、働き方改革に取り組むのは「企業として当たり前のこと」と考えて進めてきました。重点的に取り組んだのはワークライフバランスと健康管理です。

有給休暇取得の推進や、人間ドックの補助、健康のための講習会、ウォーキングイベントを行 ってきました。また同時期に「健康事業所宣言」も行っており、新潟市の健康経営認定制度ではゴールドクラスをいただいています。 なお当社が所属するフクダグループでは、日頃からさまざまな形で情報共有を行っています。今回応募したきっかけも、親会社である福田道路株式会社から「応募してみては?」と声をかけてもらったことでした。

勤怠管理システムの活用により生産性維持と有給休暇取得率アップを実現

生産性と有給休暇取得率を両立するためにどのような工夫をされていますか?

勤怠管理システムを活用したスケジュール管理を行っています。前もって休暇を含めた業務スケジュールを組み、必要に応じて業務を前倒しで進めるなど、調整してもらう形にしました。また当社では業務の性質から土日祝日に勤務する場合もあるため、有給休暇より前に振休を取ってもらう必要がありました。そこで土曜日が「週はじめ」になるよう制度を変更し、休日出勤した週のうちに振休を取ってもらうことを徹底。振休を確実に取り、完全週休二日制を実現したことで有給取得につながっています。現在では生産性を維持しながら、有給休暇取得率が 80%を超えるようになりました。

楽しみながら健康意識を高める講習会とウォーキングチャレンジ

従業員の健康意識を高めるために、どのような取り組みを行っているのでしょうか?

食生活改善のための講習会をグループ会社や健康保険組合と連携して行っています。反響があ ったのは「1 日に必要な野菜がとれているか」というテーマです。講習会後に推定野菜摂取量の測定機器をレンタルして従業員が自由に測れるようにしたところ、みなさん喜んで測定してくれました。女性を中心に、楽しみながら食生活を意識してくれているようです。

他には、継続的に歩数を記録し運動習慣の定着を支援するウォーキングチャレンジを行っています。フクダグループでは春と秋に行っていますし、新潟市でも事業所ごとのウォーキングチャレンジを開催しているためエントリーしています。健康意識が高まったおかげか、昼休みの時間を使ってランニングをしている人も。継続している姿を見て感心しているところです。

ご自身の健康管理はいかがでしょうか。

食事のバランスは意識しているところですね。私は会社の寮を利用しているため、自分で用意しなくてもバランスのよい食事が出てきて助かっています。仕事の疲れやストレスをためずに働くことができるのは、帰宅したときに食事や入浴の用意があるおかげです。寮は独身者だけでなく単身赴任の人も利用できるもので、健康管理のためにもぜひ活用してもらいたいと思っています。

「誰ひとり取り残さない職場へ」健康管理と柔軟なサポートで実現する働きやすさ

健康管理にとくに力を入れていると伺いましたが、取り組みによって行動に変化はありました か?

健康管理については「従業員まかせでは限界がある」と考えていて、会社として積極的にサポートしています。人間ドックは受診を推奨するとともに、本人だけでなく扶養家族分の費用補助も始めました。そうした支援をする中で実際に人間ドックを受診したり、雑談の中で話題になったりと、行動に変化が現れています。

会社の取り組みを、どのような方法で従業員のみなさんに伝えているのでしょうか?

月 1 回、安全面や健康面についての会議を行っており、その場で直接伝えています。社内報は自社発行はしていませんが、グループ会社の発行するものがあり、会社の取り組みや表彰などの情報共有を行っています。

病気を持ちながら働く従業員の方へのサポートは行っていますか?

視力が低下する病気を持っている方がいて「今までやっていた細かい作業ができないから働けない」とならないように、できる仕事を見つけて担当してもらっています。SDGs の「誰ひとり取り残さない」という理念につながる部分でもありますね。

ストレスチェックで実感した成果と、採用活動への展望

成果を実感することはありますか?

毎年行っているストレスチェックについて、フクダグループの事業所ごとに比較したところ「総合健康リスク」という項目で当社は最も低い数値でした。「総合健康リスク」は業務の量的負担、コントロールできるか、上司・同僚から支援が得られるかを総合的に評価した結果です。その数値が低いということは仕事に起因する健康リスクが低いことを意味します。これまで行ってきた働きやすい職場づくりの成果が出てきているのかもしれませんね。

今後の目標を教えてください。

有給休暇取得や健康管理の取り組みを継続しつつ、合同説明会のような採用活動でも活用することを検討中です。今回の記事についても「面白そうな会社だ」と感じる方が出てきて、当社に興味を持ってもらうきっかけになることを願っています。加えて、グループ会社で進めている男性の育児休暇なども採用していきたいと考えているところです。

企業情報

ファインロードコンサルタント株式会社

2004年設立。土木工事に関する調査・企画・設計・施工管理およびコンサルティング業務と各種土質試験、アスファルト試験、舗装道路の現地調査、舗装の構造設計を行う。従業員数は16名(令和6年9月時点)。